エバニュー vs トランギア アルコールストーブ、湯沸かしだけならエバニューが勝つ
結論はエバニューです。ただし「湯を沸かすだけ」ならという条件つき。調理もするならトランギアが勝ちます。同じ水量・同じ燃料・同じ五徳で実際に測った数字を全部出します。
文中の価格は2026年8月時点のものです。いまの価格は、それぞれのリンク先でお確かめください。
もとになった動画
YouTubeの「スタッキング大学 by KALUGII/カルギイ」に2025年2月7日に投稿した
「【結論出た】アルコールストーブ界の王者は「エバニュー」or「トランギア」のどちらなのか。スタッキング検証チャンネルとしての答えはコレ。【キャンプ、登山道具、ULギア】」という動画のスタッキング検証にもとづいています。

目次(10項目)
まず動画で(27分)
各項目にある「本編の◯:◯◯から見る」を押すと、その場面から再生されます。
先に結論
- 湯を沸かすのが速いのは エバニュー(4分28秒 対 5分44秒)
- 長く燃えるのは トランギア(9分47秒 対 6分3秒。約1.5倍)
- 軽いのは エバニュー(36.6g 対 115.4g。約3倍の差)
- 燃料を入れたまま持ち運べるのは トランギアだけ
- 火力調整の蓋が付くのは トランギア(エバニューは別売品で対応可)
- 総合の王者は エバニュー
エバニューを選んだ理由は3つです。項目ごとの勝ち数が多かったこと。スタッキングでエバニューにしかできない組み合わせがあったこと。そして重さに3倍の差があることです。
調べた情報と、実際に測った数字は違いました
まずネットとYouTubeで集めた情報から比較表を作りました。ただ、集めた情報は条件がばらばらです。誰がどんな水温で、どんな燃料で測ったのか分かりません。だから同じ条件で測り直しました。
条件はこうです。燃料20ml、水250ml、水温は約11度(冷蔵庫で冷やしたもの)、室温14度。五徳はKALUGIIのチタン五徳、蓋はTOAKSの95mmリッド、マグはエバニューの400FDと400NH。両方まったく同じ条件です。
沸騰時間:エバニューが1分16秒速い
- エバニュー … 4分28秒
- トランギア … 5分44秒
1つ正直に書いておきます。この数字は、ネットで見かける値より両方とも遅めです。使った燃料はAZのバイオフォース(バイオエタノール)で、検証中の炎の色が青ではなく赤でした。赤い炎は温度が低いので、そのぶん遅くなったのだと考えています。燃料の性質か、保管の仕方が悪かったのかは分かりません。
ただし両者はまったく同じ条件で測っています。絶対値ではなく、差を見るための数字として読んでください。
燃焼時間:トランギアが約1.5倍長い
- エバニュー … 6分3秒(燃料20ml)
- トランギア … 9分47秒(燃料20ml)
同じ20mlで、3分44秒の差がつきました。速く沸くということは、そのぶん燃料を速く使うということでもあります。湯を沸かすだけならエバニューの燃費は問題になりませんが、煮込むならトランギアです。
燃料を入れたまま持ち運べるか(ここが一番の分かれ目)
トランギアにはパッキン付きの蓋が付いていて、燃料を入れたまま持ち運べます。エバニューにはこれがないので、別に燃料ボトルを持つ必要があります。
入れられる量も試しました。メーカーの推奨は70mlですが、80ml、90ml、100mlと増やして逆さまにしても漏れませんでした。ただし100mlは正直こわいです。パッキンの劣化具合にもよるので、余裕をもって使うことをおすすめします。エバニューの上限は70mlです。
重量:3倍の差
- エバニュー … 36.6g(チタン)
- トランギア … 115.4g(真鍮・付属品込み)
- トランギアから五徳を外すと … 91.6g
- さらにキャップも外すと … 70.3g
手元にトランギアが2つあるので両方測りました。もう1つは111.7g(五徳なし87.9g、キャップなし66.6g)。個体差があります。
本体のサイズは測ったところ両者ほぼ同じでした。素材はエバニューがチタン、トランギアが真鍮です。
火力調整はトランギアの勝ち。ただし埋められます
トランギアには火力調整の蓋が付属します。開け閉めで弱火・中火が作れるので、米を炊く、煮込むといった調理では必要です。
ただ、Amazonで調べたところ調整蓋だけが約600円で売られていました。これを買えばエバニューでも同じことができます。決定的な差ではありません。
スタッキング:エバニューにしかできない組み合わせがある
本体サイズはほぼ同じなので、スタッキングの結果も似ています。ただし公平に比べるため、ストーブ単体ではなく「実際に持っていく一式」で検証しました。エバニューなら本体+KALUGII チタン五徳+燃料ボトル+BICジャパン ミニライター+風防、トランギアなら燃料を内蔵できるぶん燃料ボトルなし、という条件です。
その結果、いくつかの組み合わせでエバニューだけが収まりました。たとえばエバニューの250ノーハンドルでは、トランギアの五徳がかさばって蓋が閉まらない場面がありました。
- エバニュー 400FDセット … 本体下にライター・燃料ボトルを収め、上にSEA TO SUMMIT X-カップ、蓋にエバニュー マルチディッシュを重ねると完成。トランギアも同じ条件でぴったり収まり、蓋も閉まりました
- ベルモント チタントレールカップ280 … エバニューはアルコールバーナー一式が高さに収まり、蓋はEPIgasのシングルチタンマグカバー(500フタ)を逆さまにすれば使えます(五徳は少し変形しながら途中で止まります)。トランギアは高さがある分、入りきりませんでした
- PaaGoWORKS トレイルポットS1200+トレイルカップ500・300 … S1200にはエバニュー・トランギアどちらも収まります。トレイルカップ500に入れる向きだとトランギアは入らず、トランギアが収まるのはトレイルカップ300のほうでした
トランギアの「マイクロオリジナル」は、五徳+バーナーベストリッドにアルコールバーナーがセットになった商品名です。「マイクロライト」はバーナーが付かない同じセットで、これを買ってエバニューのアルコールバーナーを組み合わせることもできます。
トランギア マイクロ(ケトル0.6)でも、もう一つエバニューにしかできない組み合わせがありました。エバニューの250ノンハンドルにアルコールバーナーを入れると、高さがぴったりで蓋が閉まります。トランギア本体のアルストは五徳がかさばって蓋に干渉し、閉まりませんでした。五徳を抜けば、代わりにエバニューの400NHのハンドルがぴったり収まります。
どちらを選ぶか
エバニューが向いているのは、荷物を最小にしたい人と、湯を沸かすことに特化する人です。アルコールストーブで調理はしない、という使い方ならこちらです。
トランギアが向いているのは、湯沸かしに加えて調理もする人です。パッキン付きの蓋は本当に優秀で、燃料を多く持っていきたい場合も収納がすっきりします。その代わり重さは受け入れることになります。
総合ではエバニューを王者としましたが、これは主観も入った判定です。自分がどんな使い方をして、どんなスタッキングをしたいか。そこで決めるのがいちばん確実だと思っています。
この検証をしている理由
このサイトを書いているのは、僕(さかた)です。KALUGII/カルギイ でチタンギアを作りながら、スタッキングだけを専門に研究しています。自社のチタンギアを売っている立場ですが、他社製品どうしの比較も同じ条件で測って、そのまま出します。この記事には、動画から切り出した検証の場面を8か所そのまま載せています。
検証してほしい道具があれば、公式LINEから教えてください。リクエストの多かったものから、僕が買って検証して記事にしています。(全部にはお応えできませんが、必ず目は通しています)
この記事に出てくる道具 7点
写真はメーカー・販売ページのものです。押すと実測値のページへ行けます。
この中に、お持ちのものはありますか
同じ商品を2人が測ると、その数字は確定値になります。私の実測が1件目なので、あなたが2件目です。定規でも構いませんし、測れた項目だけで大丈夫です。
- EVERNEW アルコールストーブあと1件で確定:外径・高さ・重さ
- belmont チタントレールカップ280あと1件で確定:外径・内径・高さ・重さ
- trangia アルコールバーナーあと1件で確定:外径・高さ・重さ
- PaaGoWORKS トレイルポット S1200あと1件で確定:外径・内径・高さ・重さ
- PaaGoWORKS トレイルカップ500あと1件で確定:外径・内径・高さ・重さ
- PaaGoWORKS トレイルカップ300あと1件で確定:外径・内径・高さ・重さ
- EPIgas シングルチタンマグカバー (500フタ)まだ実測がありません
この記事に出てくるギアのうち、7点が実測を待っています。全部を見る
この記事に出てくる組み合わせの、完全版
KALUGIIチタンカップ300NH/400NHが「どのクッカーに入るか」を1枚にまとめた早見表PDFを、 公式LINEで無料配布しています。
この記事に無い組み合わせで「これ入りますか?」があれば、LINEで教えてください。 すべてにお応えすることはできませんが、いただいた中から順に重ねて確かめ、記事にしています。 同じことを知りたい人に、まとめて届くようにするためです。
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